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シンガポール生活あれこれ


by mapleleaf1217
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アマさんの洗面器

シンガポール国立博物館の歴史ギャラリーは
ラッフルズの紹介をするあたりで、
「イベントパス」と「パーソナルパス」に観覧コースが分かれています。

「イベントパス」は、シンガポールを語る上で欠かせない人物
出来事を紹介しながら、歴史の流れを追うルート。
「パーソナルパス」は、イベントパスには登場しないけれども
その陰日なたで存在、活躍した人々に光を当てることによって
歴史上の出来事が浮かび上がり、より深い理解をしてもらえるように
考えられたルート。
ギャラリーの途中3箇所にある、レストエリアに於いて、
互いのルートを行き来できるようにもなっています。。

日本語ガイドに参加すると、「イベントパス」を中心に
1時間でコンパクトにシンガポールの歴史を垣間見ることが出来ます。。
お時間がある場合は、音声ガイドを持って
「パーソナルパス」を回っていただくと
より深く、シンガポールの歴史に触れる事が出来るかと思います。

「パーソナルパス」の中で、私が最初に興味深い思ったコーナーは
「アマさんを紹介したお部屋」「ミッションスクールを紹介したお部屋」でした。

今現在でもシンガポールでお手伝いさんのことを
「アマ」と呼んだりするのですが、本来の「アマ」とは意味合いが違っています。
今現在、シンガポールで働いているフィリピン人の女性たちなどは
「メイドさん」と呼んだほうが良いかもしれません。

「アマ」というのは、ポルトガル語で「乳母」を意味していて
シンガポールは一時期、ポルトガルの支配下にあったので、
その名残りだと考えられています。
彼女たちは、「アマ」の仕事に誇りを持っていて、一つの家庭に
一生独身を貫いて従事した人もいたのだそうです。
彼女たちは、「アマ」として働き、一生独身を貫く事を決意表明するために
「ソーヘイ」という儀式を行って、髪を結い上げ
独特な引っ付め髪にしました。
その際には、両親、先輩のアマたちを招いてささやかな祝杯を
あげたようです。
彼女たちにとって「ソーヘイ」の儀式は
「結婚式」と同じ意味合いを持っていたのです。
そして、白いブラウス、黒のズボンスタイルという
一見してすぐに分かるような地味な服装で過ごします。。
何かに一生従事して過ごす、という意味合いにおいて
最低限の物しか持たない、という彼女たちの生活ぶりは
尼僧とほとんどかわらないかと思います。

アマさんのの持ち物を展示してあるのですが、
洗面器と陶製枕、身だしなみを整える為の
本当に少しのものしかありません。
また、音声ガイドを聞くと、「アマ」同士の間では
姉妹の契りを結んで、お互いを慈しみあった様子を伺うことが出来ます。

ところで、このコーナーに展示してある洗面器が
ホーロー製でおしどりの絵がついていて、ちょっと可愛らしいのです。
これを街中で見かけた時には、飛びついてしまいました。
以前は、街中の食器を売っているお店でよく見かけたらしい
ホーローのお皿も、現在では無地のタイプが主流なのですが、
時々花柄のものを見つけたりします。
だいたい、1㌦ちょっと位の値段です。
アマさんの洗面器_e0121993_413781.jpg

奥にあるのが
「アマさん」の洗面器

アマさんの洗面器_e0121993_43264.jpg

こちらは、プラナカンの洗面器。
アマさんの洗面器_e0121993_451488.jpg
先日、骨董市のような所で見つけました。
アマさんの洗面器_e0121993_48594.jpg

アマさんの洗面器_e0121993_482423.jpg
エナメル彩色が本当に美しく、状態もよかったです。
お店の女性と値段交渉を頑張りました!
そして、
アマさんの洗面器_e0121993_4104371.jpg
これは、プラナカンハウスなどでも
よく見かける洗面台。
100年ほど前のものだそうです。
ずっと探していたのですが、
ある方が、見かけたわよ!と
教えてくださって
手に入れる事ができました。

アンティークや先ほどのホーローなどは
好きな人にとってもは価値があるのですが、
そうでない人が見れば、ただの古くて汚いものでしかありません。

先日見積もりに来た引越し業者さんには
保険をかける場合は「アンティーク」と書かないでください、と言われました。
保険がきかなくなるのだそうです。
シンガポールに持ってきた
祖母の形見の鏡台や、中国のアンティークの棚
この洗面台には、100万の保険をかけたい位なのですが、
アンティークというのは、価値があってないようなものなのだな。。。と
つくづく感じてしまいました。
by mapleleaf1217 | 2009-02-18 04:25 | スーベニール