あぴあぴ(マレーシアの蛍)
2008年 05月 25日
野生の蛍が見られます。
蛍といっても、日本の蛍ほど大きくなくて
綺麗な水は好まない蛍のようで
マングローブの木々に群がって、クリスマスツリーのような
輝きを見せるのだとか。
以前妹が観にいって、それはそれは綺麗だった。。と言っていたので
娘とパパと3人で、観にいきました。
マレーシア側のガイドのJJさんは、普段は工場にお勤めらしいのですが
今日は急に来られなくなった通常のガイドさんのピンチヒッターのようでした。
彼の話だと
このツアーを企画したのは自分で、その当時はもっと沢山の蛍が見られて
お客さんも日本人ばかりだったのだそうです。
この数年、シンガポーリアンにも人気で、大変な賑わいなのだとか。
この日も中国語が飛び交っていました。。。
彼は何度も、観光スポットにすると野生の蛍には悪い環境になるし、
実際、蛍の数が減ってしまっている。
でも、綺麗だから多くの人に見てもらいたい。。。
矛盾しているのだけれど、と言っていました。
舟に乗って、川を暫く行くと、両側にマングローブの林があります。
その木々に、蛍が集まっていました。
小さいな光なのですが、点滅している様子は、クリスマスツリーのようでした。
面白いのですが、蛍がとても集まる木と、そうでない木とがありました。
井上靖の散文詩に「蛍」という詩があって
世界各国の言葉で蛍を紹介していています。
日本では、火を戴いた虫。
火を背負った虫。燃えてる虫。など各国それぞれなのですが、
どこかの国の今はもう滅んでしまった民族は、「消える消える火」と表現したのだそうです。
光の消える瞬間を意識した、その繊細な感情に感動した、とあって
印象に残っている詩でした。
まさに、今回見たのは「消える消える火」
ガイドさんが何度も、写真には写りませんから、と言っていたのですが
目で捉えるのもやっとの、まさに心の中に残しておく光でした。
空に南十字星が見えました。
蛍の光に比べて、強い輝きを放っていました。
星の輝きも何万年も前のものなのですよね。
今光輝いていても、もう消失してしまった星もある、と聞いたことがあります。
蛍を見る頃、娘は丁度眠たい時間だったのですが、
彼女の心の中にも、小さな点滅は残ったでしょうか。。