シンガポール生活あれこれ


by mapleleaf1217
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パフォーマンスデイ 

日本人会の舞台を借りて、
娘の幼稚園の催しものがありました。。

2歳から6歳までの,全てのクラスの子供たちが参加しました。
写真は、一番小さいクラス。可愛い!!
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まずは、合奏と歌から。。。

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ハーモニカ
家に持ち帰ってきたけど
練習している所
一度も見たことないな・・

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英語の歌も
歌います。

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ダンス。
楽しそう!!

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YMCA 
振り付きで歌っています。。

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頭にバンダナ巻いて・・
バンダナ、
もっと明るい色にすれば良かった。。
ママはちょっと反省。

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ジャンプして・・・

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最後は
垂れ幕を持って終了。
元気一杯
頑張りました。。。


年中さんと年長さんは、劇もしました。。。
一人一言ずつの台詞があるのだとか。
ママの方がドキドキしていたと思います。。
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園の先生が、宇宙人にさらわれて
さあ、大変!!!

皆で助けに行こう!

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年中さんの女の子登場。

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娘の一人台詞。。

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先生を救い出す作戦を
思案中。
そして・・・

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リボンダンスが
始まりました。。
すると、星のかけらをGET。

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年長の男の子たちは
組体操をしていました。
上手でした。

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最後は、
皆で力を合せて。。。

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お見事!

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皆でGETした星のかけらを
繋ぎ合わせると
大きなお星様に
なりました。
スタークラスさん
ですものね。

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宇宙人にさらわれた
先生も無事に
戻ってきて、
皆で手話の歌を
歌います。。

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本当によく
出来ました!

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幕が下りる本当に
最後まで、
子供たちは手を振っていました。
娘は上をみているけれど、
何か見つけたのかな??


実は、衣装を揃えるのに一苦労でした。
シンガポールでは、無地の洋服はないのです。
必ず模様がどこかについてしまっています。
赤いタンクトップ
白い半ズボン
黒い長ズボン・・・
これの無地を探す為に
近くのマーケットは勿論、
チャイナタウンにまで出かけました。。。
その甲斐あって、みんなお揃いで
素敵に仕上がりましたね!
ママたちも大満足です。
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by mapleleaf1217 | 2008-02-29 03:27 | むすめ
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シンガポールの歴史を
ミュージカルに仕立てて
とても楽しく綴った舞台を
観に行きました。。

主役のDim Sum Dollies は点心娘と訳せるのでしょうか???
歌って踊れるコメディエンヌたちでした!!!

シンガポールが「テマセク」と呼ばれていた頃、
この小さな島は、多くの外国人たちからは見向きもされませんでした。
やがて、ヨーロッパの人々がスパイスを求めて
東南アジアに旅立って行った大航海時代が始まります。
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スパイスの格好をして
スパイス・ガールスの歌を
歌っています(笑)

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1819年に、かの
ラッフルズがやってきて
島のトゥメンゴン(代官)とサルタンと
契約を交わし、年金と引き換えに
港を開港する事に成功しました。
シンガポールは、貿易中継地点として
発展していきます。

そして、シンガポールには多くの移民達がやってくるようになりました。。。
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お金持ちになる事を
夢見て、
中国から渡ってきた
「苦力」(クーリー)たち・・・
稼ぎの殆どを
政府と秘密結社にとられてしまう、
と嘆いています。

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インド人の牛乳売り・・・

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中国広東省三水(さんすい)地方
からやってきた
肉体労働をした女性たち・・・
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ヨーロッパの女性たちは
常夏の国にいるにも
かかわらず、
本国にいる時と同じような
長袖のドレスを着込み。。。
右の女性は「アマ」と呼ばれる
お手伝いさん。
ポルトガル語で「乳母」を意味し、
生涯独身を貫き、
一つの家庭に従事した人も
いたそうです。

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植民地政府は
必要悪として
「売春」と「阿片」を
黙認していました・・・
というのも、
当時の男女比率は10対1で、
阿片は財政収入の
50㌫をしめていたのです。

やがて、1929年世界大恐慌が始まり、戦争の時代に入ります・・・
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日本は、3年半、
シンガポールを統治します。
「昭南島」と名づけて、
日本文化の強要をしました。。。
「オロセー」
「ソウ、ソウ、ソウ」
「カミカゼカラオケ!」と
あまり意味のない
日本語が連発(苦笑)
何故か会場大笑い。。。

戦争が終わると、シンガポールは、一気に独立に向けて動き出します。
リークワンユーが初代首相になり、
マレーシア連邦の一部としてイギリスから独立するものの、
その2年後、政策の違いから、
マレーシアからの不本意な独立を果たすのです。。。

シンガポール政府は、近代化に向けて、「カンポン」と呼ばれる
当時ののんびりした村暮らしを一気に焼き払い,
近代的なHDB(高層公団住宅)を建設して、住宅問題を解決しました。。。
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しかしながら、
この場面では、
「カンポン」暮らしを懐かしむ
中国人、マレー人、インド人が
象徴的に表現されていました。
多少、強引な政策だったのかも
しれません。。。

最後は、多民族を抱えるシンガポールが
ミス・ユニヴァースを選出するにあたり、
国民が一致団結(?)した当時の様子などを再現して・・・
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グランドフィナーレでした。。。
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この3人は
厭味なく演技していて好感が持て、
すっかりファンになりました。

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会場も国旗を振って
大盛り上がり!!
娘も、国旗を振って
喜んでいました(笑)

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とっても楽しい舞台でした。
台詞がシングリッシュで、会場の笑いに今一つ、付いて行くことが出来ない事もありました。
お隣に座っていた西洋の方は
「さっぱり分からない・・・」とぼやいていたのですが、
少しだけ、シンガポールの歴史の勉強をしているので、
舞台の流れは理解出来、かつ新たな発見もあった
本当に楽しい夕べでした。

舞台が終わると、出口でサイン会をしていたので娘と参加。
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この笑顔で
記念撮影!!

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初めてエスプラネードシアターに行ったのですが、
とても綺麗で座り心地も良かったです。

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宇宙ステーションのような
建物を後に
帰路に着きました。。。

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会場で配られた
パンフレット。
デザインが洒落ています。
サイン入り!
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by mapleleaf1217 | 2008-02-27 01:18 | 舞台
旧正月中、行列が出来ていたポークジャーキーのお店。
先日、お店の前を通りかかると、娘が
「これは、チャイニーズ・ニューイヤーで食べるんだよ。
幼稚園で食べたから知っているんだ」
と言いました。
どうやら、その時食べてとても気に入ったようです。
旧正月中は、値段が1.5倍になるのだとか。
試すには丁度よい、切り落としが売っていたので100㌘
買ってみました。3.5㌦でした。
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チリ味と、そうでないものがあって、本当はチリ味に
心惹かれたのですが、娘も食べられるように
辛くないタイプにしました。
「林志源」は、老舗のようで味もシンプルなのだとか。
お隣に「美珍香」というお店もあるのですが、
食べ比べた方がいて、「美珍香」の方が
甘みが強かったとおっしゃっていました。
私は「林志源」のしか食べていませんが、とても美味しかったです。
幾らでも食べられてしまいます。
娘もよく食べていました。
けれど、後でとても喉が渇きます。
ビールのおつまみには最適ではないでしょうか。。。
つくづく下戸であることを、残念に思った瞬間でした。
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by mapleleaf1217 | 2008-02-26 10:11 | 食べ物
中国オペラの総称が、「京劇」かと思っていたのですが、
そうではないようで、京劇は「北京オペラ」のことで
他にも「広東オペラ」など地域ごとの演出があるようです。

まだ独身の頃、若い女の子が歌舞伎を見るのが少し流行っていて、
ご多分にもれず、私もお友達と3階の一番安い席で
お弁当を持って見物したのは、とても良い思い出です。
母は若い頃、日本舞踊を習っていたので、
時々歌舞伎座の券が手に入ると連れて行ってくれました。
母と行った時には、中の食堂で「おでん定食」をいただくのが
とても楽しみでありました。
こちらも、良い思い出となっています。

有名な「義経千本桜」を通しで観たときは、外に出たときくらくらしましたが、
私は、あの物語りの中で、義経のお供をしていた人物が、
実は、静御前の持っている親狐の皮が張られた鼓を慕って、
人間に化けた子狐で、鼓の音を聞くと、どうにもこうにも
狐の仕草をしてしまう件がとても好きでした。
物語とは、直接関係ないお話ではあるのですが、
何ともいじらしいではありませんか。。。

今回、京劇というのを初めてみて、 
お化粧といい、お囃子といい、
見得を切る動作のようなことをしていたり、
アクロバティックなアクションなどは、スーパー歌舞伎などに
とても似ているのでは・・・と思いました。
物語りも、本筋があるけれども外伝のようなエピソードが
一つのお話となっているところなども
とてもよく似ていると思います。

今回は、「西遊記」から「荒天宮(天国荒し?)」
「三岔口(三叉路の意味)」
「白蛇伝説」より「盗庫銀(国庫から銀を盗め?)」
の、3つの演目をみました。
場所は、ヴィクトリア・シアターです。
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夕暮れは
時計台に灯りがともり
幻想的です。
勿論娘も一緒で、とても心配したのですが、
意外にも、ツボを押さえて笑っていました・・・。
「西遊記」のお話は、孫悟空が面白可笑しく神様たちを
やっつけていくので、確かに楽しい演目でした。
内容が良く分からなくても、結構強い孫悟空を応援したくなります。
けれども、娘はそこでバッテリー切れ。
あとの2つのお話は、夢の中。。。という顛末でした。。。(笑)

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天国の宴会に招いてもらえなかった孫悟空が、怒って食べ物を食い散らかして
しまいます。見かねた10人の神様たちが、孫悟空に御仕置きをしようとするのですが、
孫悟空が意外に強かった・・・・というお話です。

2つ目の、「三岔口(三叉路)」は、
ある人物をかくまった宿屋の主人が、その人物を慕ってやってきた男を
刺客だと思い込み、その男も宿屋の主人をやはり刺客だと思い込んで、
夜中にこっそり部屋に押し入って、お互い実は見方同士なのに
戦ってしまう、というお話。
暗闇で、お互いの姿が見えないのですが、気配を感じて戦うところが面白かったです。
3つ目「白蛇伝説」は、シンガポーリアンに人気のある物語らしいです。
白蛇が人間の女に化けて、人の良い薬屋さんと結婚するのですが、
奥様は魔女のように、時々神業を成し遂げるエピソードで綴られた、物語のようです。
今回は、その中から、妹がお金に困っているので銀を盗み出すお話。
魔法を使って、時を止めたりしていました。
女性の俳優さんの棒を使った芸がお見事!!!

現在、シンガポール国立博物館では「広東オペラ」の衣装を展示しています。
あの演歌歌手も吃驚するほど、キラキラで豪華です。
「北京オペラ」の衣装も派手ではありますが、
あちらに比べたら、とてもシンプル?に感じられました。
機会があったら、是非「広東オペラ」も観てみたいです。
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by mapleleaf1217 | 2008-02-25 02:53 | 舞台
娘が飼っていた、ハムスターのハム吉が死んでしまいました・・・。
私の不注意で、とても可哀相なことをしてしまいました。

娘は、それを知ったとき
大泣きして、そして寝る前にも涙を流していました。

夜中だったのですが、ハム吉をお花の咲く木の根元に
娘と一緒に埋めてきました。
いつでもハム吉がお花に囲まれていられるようにと、娘が選んだのです。

今朝になって、娘が私に聞きました。
「ハム吉は、まだ土の中にいるのだろうか・・・
天国に上って行ったのだろうか・・・」
「どうして?」と聞き返すと、
「土の中のハム吉は、どうやって空に上るの?」
と、聞いてきました。
私も考えた事がなかったので、暫く思案して
ふと、先日の雲を思い出しました。
「この間みたような、雲の階段を上っていくのだと思う。
そしていつか、パパもママも○○ちゃんも行くのよ」
と言ったら、
「きっと、もうすぐハムちゃんも天国に行かれるかな」と言いました。

そして、先ほど幼稚園から帰ってきた娘は、
「もう、昨日の場所にハムちゃんはいないと思うよ。
お空に上っていったと思うから。○○ちゃんは、雲を見つけたから」
と、言っていました。
小さいながら、「死」を受け入れられたのかな。。と思いました。

新しいハムスターを、すぐに買うことは簡単なのですが、
暫く様子を見ようと思っています。
娘は、とても可愛がっていたけれども、買った当初程の興味を示さなくなったし、
あまりに簡単に買い与えてしまった、と思う所があるからです。
今度は、小さな仕事(お水を替えるとか)でよいから、
娘にも少し世話をさせてみようと思っています。
暫くは、短い時間ではあったけれど
ハム吉と過ごした時間のことをいつくしんで、
そして、ハム吉のことを沢山思い出してあげたいな・・と思っています。
それが、一番の供養ではないでしょうか。。。。
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写真は、お知り合いの方が写された「夕闇へのゲート」という題名の写真です。
先日、コンクールで入賞なさった作品でもあります。
快く受諾していただいたので、ここに掲載させていただきました。
「夕闇へのゲート」と名前をつけられたこの橋は、
フラトンホテルを背中にして、ビクトリアシアターに向かう橋で、
赤信号の時に、道路の真ん中に立って撮影されたのだそうです。
シンガポールはヘイズのせいできれいな夕方になることがとても少なく、
その日は珍しく美しい空に恵まれたのだそうです。
そして、シンガポールの夕焼けはとても短く、時間はたった5分ほどで、
橋の電気が灯って空が紫に焼ける瞬間は、本当に短いらしいのです。
その奇跡的な瞬間を写された写真でもあります。
(上記の文章は、その方が書かれた文章を、再構築させていただきました・・・)

夕闇へのゲートは、また天上に続く門のようにも思えてなりません。

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by mapleleaf1217 | 2008-02-22 21:12 | 休題

大きなバナナ

昨日、ウェットマーケットにお買い物に行ったら、
大きなバナナを見つけました!
大きなバナナが房になって売っていたので、吃驚。
流石に、1本売りでした。
1本1㌦だったのですが、つい興味本位で購入。

幼稚園から帰ってきた娘は、大喜びです。。。
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早速剥いてみると、皮が実にくっついていてむきにくい事なんの。。。
中のバナナは・・・
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こんな感じ。
うっすら
オレンジ色・・・

そして小さめに切って、二人で口にほおばると・・・・
しばし無言・・・・
バナナの食感がなくて、シャリシャリしていました。。。
形が大きいだけでなく、味も大味でありました・・・(残念)

さて、どうしたものかと思って、
焼きバナナにしてみようと思いつき、温かくしてから
バニラシュガーをふりかけて食べてみました。。。
・・・なかなかおいしかったです。
娘が「お芋さんみたい」と言っていたのですが、
本当に、サツマイモのような食感でした。。。
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お菓子作りが上手な方だったら
きっと上手く調理なさるのでしょうが、残り3分の2あまり
我が家では、どうしようかと思案中です。
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by mapleleaf1217 | 2008-02-21 10:27 | 食べ物

雲を見てゐる自由の時間

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朝、目を覚ました娘が
「わあ~雲がすごいいっぱい!」と言って、
嬉しそうに窓辺に走って行きました。。。

「雲を見てゐる自由の時間」

は、萩原朔太郎の詩の1節のようです。吉行理恵さんのエッセイで知りました。

朝はいつも慌しいのですが、今日は暫く二人で
雲の様子を眺めていました。。。
シンガポールの夜明けは遅くて、
7時過ぎないと明るくなりません。

太陽が昇っていくのに合わせるかのように、
雲の集団が、ゆっくり2つに別れていきました。
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まるで、モネの描く世界でした。。。


虚無の歌
     我れは何物をも喪失せず
     また一切を失ひ尽せり。「氷島」

 午後の三時。広漠とした広間《ホール》の中で、私はひとり麦酒《ビール》を飲んでた。だれも外に客がなく、物の動く影さへもない。煖炉《ストーブ》は明るく燃え、扉《ドア》の厚い硝子《ガラス》を通して、晩秋の光が侘《わび》しく射《さ》してた。白いコンクリートの床、所在のない食卓《テーブル》、脚の細い椅子の数数。
 ヱビス橋の側《そば》に近く、此所の侘しいビヤホールに来て、私は何を待つてるのだらう? 恋人でもなく、熱情でもなく、希望でもなく、好運でもない。私はかつて年が若く、一切のものを欲情した。そして今既に老いて疲れ、一切のものを喪失した。私は孤独の椅子を探して、都会の街街《まちまち》を放浪して来た。そして最後に、自分の求めてるものを知つた。一杯の冷たい麦酒《ビール》と、雲を見てゐる自由の時間! 昔の日から今日の日まで、私の求めたものはそれだけだつた。
 かつて私は、精神のことを考へてゐた。夢みる一つの意志。モラルの体熱。考へる葦《あし》のをののき。無限への思慕。エロスへの切ない祈祷《いのり》。そして、ああそれが「精神」といふ名で呼ばれた、私の失はれた追憶[#「失はれた追憶」に二重丸傍点]だつた。かつて私は、肉体のことを考へて居た。物質と細胞とで組織され、食慾し、生殖し、不断にそれの解体を強ひるところの、無機物に対して抗争しながら、悲壮に悩んで生き長らへ、貝のやうに呼吸してゐる悲しい物を。肉体!ああそれも私に遠く、過去の追憶にならうとしてゐる。私は老い、肉慾することの熱を無くした。墓と、石と、蟾蜍《ひきがえる》とが、地下で私を待つてるのだ。
 ホールの庭には桐《きり》の木が生《は》え、落葉が地面に散らばつて居た。その板塀《いたべい》で囲まれた庭の彼方《かなた》、倉庫の並ぶ空地《あきち》の前を、黒い人影が通つて行く。空には煤煙《ばいえん》が微《かす》かに浮び、子供の群集する遠い声が、夢のやうに聞えて来る。広いがらん[#「がらん」に傍点]とした広間《ホール》の隅で、小鳥が時時|囀《さえず》つて居た。ヱビス橋の側に近く、晩秋の日の午後三時。コンクリートの白つぽい床、所在のない食卓《テーブル》、脚の細い椅子の数数。
 ああ神よ! もう取返す術《すべ》もない。私は一切を失い尽した。けれどもただ、ああ何といふ楽しさだらう。私はそれを信じたいのだ。私が生き、そして「有る」ことを信じたいのだ。永久に一つの「無」が、自分に有ることを信じたいのだ。神よ! それを信じせしめよ。私の空洞《うつろ》な最後の日に。
 今や、かくして私は、過去に何物をも喪失せず、現に何物をも失はなかつた。私は喪心者のやうに空を見ながら、自分の幸福に満足して、今日も昨日も、ひとりで閑雅な麦酒《ビール》を飲んでる。虚無よ! 雲よ! 人生よ。(『四季』1936年5月号)

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by mapleleaf1217 | 2008-02-20 02:26 | お天気

季節風 (モンスーン)

2月に入って、心地よい風が吹き渡っているシンガポールです。
確か、まだこちらに来たての昨年8月頃にも、同じような風が吹き渡っていました。
エアコンを入れなくても涼しいね・・・と話していたものです。
恐らくこの風が、季節風(モンスーン)なのだと、最近気が付きました。

モンスーンは、別名貿易風とも呼ばれています。
この風を利用して、シンガポールには様々な人々がやってきました。
1月には南シナ海から北東風が吹き、その風にのって中国からの船が、
そして、7月には向きが変わって、インド洋から吹く南西風に乗って、
インド人やアラブ人がやってきて、一方中国船はこの風を利用して
戻っていくという事を繰り返していました。
シンガポールは、インドと中国の航路上にある、
大きな船を停泊出切来る深い湾がある、
そして、新鮮な水の供給ができる・・という
3つの地理的条件から、貿易の中継地点として発展してきました。
16世紀頃から暫くは、オランダが支配していたのですが、
当時はマングローブの生い茂るジャングルで
島民もほんの僅かしかいなかったようです。
1819年にイギリスの東インド会社のラッフルズがやってきて以来、
急速な発展を遂げるのです。
当時の港の様子を描いた絵画が残されています。
その絵からは、立派なヨーロッパの帆船、中国のジャンク船、インドネシアの
ブギス船、マレー人の船などで賑わう当時の港の様子が窺えます。
また、スエズ運河が開通し、蒸気船が発明されたのは1800年代後半なのですが、
蒸気船の初期のものと思われる、煙突がついていた、煙を吐いている船も描かれています。
まだ完全ではなくて、帆を張って風も利用している様子が窺えます。
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こちらの船は、リバークルーズが楽しめる船です。
先日も記事にしましたが、クラークキーからマーライオンまで連れて行ってくれる
観光船なのですが、中国の船をモデルにしています。
船の先端に目玉のようなものがついているのですが、
これは、迷うことなく目的地に着くように、というおまじないのようなものです。
船体の色で中国の出身地も分かるようになっていました。

船が到着すると、フォートカニングヒル(当時はガバメントヒルと呼ばれていた)や
セントーサにあった、フラグスタフ(旗ざお)に旗が掲げられました。
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旗は色分けされていて、
例えば、赤はヨーロッパから、
黄色は中国からの
船の到着を意味していました。

季節風に乗って、帆船がやってきていた昔の港の状況を想像するのはとても楽しいです。
当然ながら、航海には沢山の苦難があったと思うのですが、人間が自然と共存していた
とてもシンプルな形態ではないでしょうか。
蒸気船の発明は、季節風に関係なくいつでも海を航海する事ができ、
それによって、産業も発達したのですが、一方では貧富の差を生むことにもなりました。
風に逆らって、ぐんぐん進んでいく蒸気船は、とても不自然でアンバランスな乗り物に
思えてなりません。そうやって、人間は少しずつ自然との共存を断ち切っていったように
思われます。。。

風の様子を窺いながら、注意深く航海した昔の人の繊細な感覚は、今はもう
失われてしまったのではないでしょうか・・・。
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by mapleleaf1217 | 2008-02-19 02:54 | お天気
   てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた。
     安西 冬衛 「春」 (「戦艦茉莉」より)

セントーサには、バタフライ・パークと昆虫博物館があって、
先日出かけてきました。
実は、私は蝶が苦手です。
小学生の頃、下校途中によくモンシロチョウを捕まえたものですが、
ある時から、羽の模様を気持ち悪く感じるようになりました。
美しいものに何故か怖さを感じてしまうのと
似ているのかもしれません。

本当に何年ぶりかで、蝶を手のひらに乗せました。
そして、いつもは虫を怖がる娘も
始めのうちこそ、おっかなびっくりだったのですが、
博物館で、心から虫を愛している
「虫おじさん」に会って、魔法を掛けられたかのように
沢山の虫を触り、蝶を手に乗せて喜んでいました。。。
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博物館に入ると、まず昆虫の化石の展示と、世界中から集めた
蝶の標本や虫の標本が並んでいます。
暫く歩くと、野外に出られるようになっていて、そこに沢山の蝶と何故だか
綺麗な羽のオウムが放し飼いされていました。
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係りの人に頼むと、腕や肩に乗せてくれます。
確か、バードパークでは有料で写真を撮る事ができるのですが、
ここなら、無料です!

バタフライ・パークも楽しいのですが、
博物館も面白いです。
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のっぽさんに似た
虫おじさんが、親切に
解説してくれます。
日本語も少し話せるし、
優しい英語だったので
よく分かりました!

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蠍に似ていますが、
ザリガニなのだそうです。

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あまり良い写真では
ないのですが。。。
この蝶は、作り物のように
綺麗でした。
雄なのだそうです。
雌は大きくて、茶色なのだそう。

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ナナフシの雄。
雌は、茶色の
あのナナフシ。
緑色が綺麗です。。
娘は最初、おっかなびっくりだったのですが、
このおじさんが、あまりにも虫を愛しむので、
だんだん緊張が解けてきて・・・
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最後は、こんなのまで
触っていました。。。
この蛇は、シンガポールに
良くいるのだそうです。
ボタニック・ガーデンでも見かけるそうです。
毒があるので
噛まれるといけないらしいのですが。。。
「ノーデンジャー」と言っていました・・・

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これは、なんと
世界で一番大きなゴキブリだそうです。。
透明なのが、ちょっと怖い・・・。
枝の上に乗っかると、
茶色く変色していました。
背中に、ニコちゃんマークが!!
これは、可愛い!!
でも、流石に
触れませんでした。。
やはり・・・ゴキブリなので・・

その他にも、アジアで一番大きなカブトムシや
世界で一番大きなカブトムシなども、
頼めば触らせてもらえます。
バタフライ・パークの蝶は、季節によって
入れ替えているのだそうです。
それから、「シジミ蝶」は日本にしかいない蝶々なのだとか。
おじさんは、わざわざ群馬県まで観にいったらしいのですが
あまり見つけられなかった・・・と残念がっていました。

そして再び、バタフライ・パーク。
蝶は、まるで空気の存在を見せてくれているかのように、
ふわふわと舞っていました。。。
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ここまでは、私の写真であります。。。

実は、この日は写真同好会の方たちと行ったので、
素敵な写真を撮っていただきました!!
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この写真の蝶々は、
シシリー・メアリー・バーカーの描く
妖精のようにみえます・・・。
娘の自然な表情を捉えてくださいました。
dourongさん、有り難うございます!!

今日の記事の冒頭に載せた詩は、教科書にも載っている
安西冬衛(あんざい ふゆえ)の詩。
韃靼海峡とは、間宮海峡の事です。
蝶々は、日本から樺太に飛んでいったのか、樺太から日本に飛んできたのか・・・
たった一匹で、寒い海峡を越えていく様子には、童話の世界と寂しさがあります。
蝶々の出てくる詩で、もう一つ有名なのは、中原中也の「一つのメルヘン」。
こちらも、教科書に載っていました。
そして、もう一編、紹介するのは短歌です。
 波斯(ペルシヤ)びとオマール・カイヤムの古ごころ蝶のねむりといづれあはれぞ  坪野 哲久
坪野哲久は、プロレタリア歌人ですが、この歌は思想を超えて美しい旋律になっています。
塚本邦雄が絶賛した歌でもあります。意味が良く分からなくても、
言葉の存在だけで、充分に何か伝わってくるし、心に残ります。

蝶々というのは、神様の領域に住む生き物なのでしょうか・・・。
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by mapleleaf1217 | 2008-02-18 01:38 | 観光

チキン・ヌードル

チャイナタウンにあるお店。
チキンヌードルが美味しいということで、連れて行っていただきました。
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町の食堂といった店構え。
写っているおばさんが
いつも店番しているようです。
笑ったら損みたいに、
いつも無愛想なのだとか。。

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骨付きチキンは
こってりした味付けなのに
くどくなく、
スープがほどよく麺に絡んで
あっという間に
いただいてしました。。。
この位の量が丁度良いです。。。


スープがついて、3㌦(240円)。
お昼時は、シンガポーリアンでとても混みあうのだそうです。
安くて美味しいお店に、みんな敏感なのですね。
行列が出来るお店には、取りあえず並んで!!!
シンガポールでは鉄則です(笑)
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by mapleleaf1217 | 2008-02-15 17:27 | 食べ物