切な鳥
2007年 10月 26日
空が暗くなるのは、勿論ですが、むっとした雨の匂いがしてきて、
鳥が鳴くのです。
シンガポールに来てから、よく聴く鳥の声は二種類。
「カカカカカカカ・・・・」と早口に啼く鳥と
「アーアーアー」と啼くごとに甲高い声を発する鳥と。
最初の鳥は、雨の前に啼く鳥です。
「あめ、あめ、あめ、あめ・・・」と
教えてくれているのでしょうか。
雨が止むと、また啼き始めます。
「やんだ、やんだ、やんだ・・・・」と
喜んでいるようです。
二番目の鳥も、雨の降る前に啼いています。
娘が、よく鳴き真似するのですが、
「アー、アー、アー」と、
啼くうちに、最後はとても切ない叫び声に変わるので、
「切な鳥」と呼ぶ事にしています。
残念ながら、鳥の姿を見たことがないのですが、
ふと
「チョンタルの詩」を思い出してしまいました。
メキシコ・インディオの古謡集で、
鳥たちは、「あーい」と啼いて
シャーマンのように生きているのです。
本を日本に置いてきてしまった事を
とても残念に思います。