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シンガポール生活あれこれ


by mapleleaf1217
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アルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)

シンガポールに来て、アアルトの展覧会を観られるとは
思ってもみませんでした。(マリメッコもなかったので)

NUSミュージアム
アルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)_e0121993_18315587.jpg

NUSミュージアムの「NUS」は
National University of Singapore
「シンガポール国立大学」の略。
優秀な学生の集まるキャンパス内に
綺麗なミュージアムが付設されています。






3階建ての、3階が今回の会場でした。
あまり大きなスペースではありませんでしたが、
とても観やすい構成になっていました。
アルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)_e0121993_1854209.jpg

アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)
1898年~1976年
フィンランドを代表する
建築家、デザイナー






アアルト展を催したのは、恐らく建築学科がある為でしょう。
熱心に見ている学生の姿がありました。
会場は2部構成になっていて、最初に彼が設計した個人邸宅の写真と設計図、
ミニチュアの展示があり、もう一部屋には、彼がデザインした
ガラス食器や家具が展示されていました。

シンガポールに来て、ショップハウススタイルの家も良いな・・と
思っていたところですが、やはりアアルト設計の家は魅力的。
直線的なのに、曲線を所々に使っていて、
曲線をとても大切にしている事が分かります。
(部屋の形や螺旋階段など)
でも、その家は、雪景色にとても映えるのです。暖炉も似合う。
やはり、寒い国向けの家なのでしょうか・・・。
アルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)_e0121993_1901264.jpg

御覧のようにゆったりとした展示で、
キャプションがないのが嬉しい!
会場内に置いてあるパンフレットに
詳しい説明が載っていました。
まずは、作品をよく見ましょう、
という事なのでしょうか・・・




アルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)_e0121993_1916617.jpgアルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)_e0121993_19185697.jpg











気に入った作品たち。
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アルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)_e0121993_19211043.jpgアルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)_e0121993_19213442.jpg








アルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)_e0121993_1922095.jpgアルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)_e0121993_19265240.jpg








一番上は、車輪の大きな有名なワゴン。
とてもお高いようですが、欲しい物のひとつ。
右側は、テーブルと椅子ですが、2つのテーブルは組み合わせ自由。
置き方によって感じがかわりますね。娘の部屋に置いてあげたい家具です。
イッタラ社のガラスの食器類は、手に入り易い作品ですが、
こうやって重ねてもいい感じ。
木の幹をくり貫いた器。斬新。
こんな肘掛け椅子をリビングに欲しいものです。
一番下の右側の写真。奥に、有名なアルテク社の「スツール60」が見えます。

3階をじっくり見て、1階に下りてくると、
受付の女性が、1階のギャラリーもどうぞ・・と
案内してくれました。

1階には、「Way of seeing Chinese Art」(中国美術の見方?)
と称して、 中国の青銅器、陶磁器が年代別に
コンパクトに展示されていました。
逸品ではないですが、青磁や白磁で好きな感じの作品がありました。

そのお隣では、
1987年からシンガポール在住の中国人画家、
Divide Kwo の作品が展示してありました。
アルヴァ・アアルト展(NUSミュージアム)_e0121993_19441797.jpg

猫を描いた作品が良かったです。











NUSミュージアムへは、MRTクレメンティ駅で降りて、駅前のバス停から
96番のバスで行くのが便利です。
入館料は無料。
アルヴァ・アアルト展は12月8日までです。

さて、ちょうど先日、日本にいる友人からメールが届きました。
「かもめ食堂」を深夜放送した映画で観た!面白かった!
という内容でした。友人は、映画を見ながら、自分の生き方と
色々比べてしまった、と書いていました。
私は、群ようこさんの原作本も読んだのですが、映画がとてもよく
出来あがっていると思います。
登場人物の背景を全く描かなかった事が、映画を良くした要素では
ないでしょうか。
映画を観て、自分は片桐はいりが演じた女性に近いな・・・と思いました。
小さな事が色々気になって、本当に大切な事を、うっかり見落としてしまう
不安定な所が似ています。
小林聡美演じた主人公には、残念ですが絶対になれません。
彼女のような人は、大事な事を見落としたりはしないはずです。
真っ直ぐな心意気を持てたら、揺らぐ事もないのだろうな、と
羨ましく思いました。
願わくは、せめて、もたいまさこ演じた女性のような、50代になれたらな・・・
と、思います。
映画は、アアルトの建築のように、直線的なのですが、
所々、曲線が入るので、温かみがありました。
どこが・・・とは詳しく言えないのですが、もし、
直線ばかりだったなら、そんなにヒットしなかったのではないでしょうか。
曲線的な所・・・つまりは、やはり決して万能でない人間の
柔らかな温かさを、きちんと描いた所が良かったのかもしれません。
直線的な主人公が、とても生き生きしていたので。

アアルト展を観て、かつてフィンランドに行った事を思い出しました。
まだ、北欧がそんなにブームになっていない頃です。
センスの良い北欧の中でも、フィンランドは少し野暮ったい所があって
そこがとても気に入りました。
今は、常夏の国にいますが、雪の持つ温かさを、また感じてみたいな・・
と、フィンランドを懐かしく思い出しました。
by mapleleaf1217 | 2007-10-17 18:28 | 美術館・博物館